■ 特殊な技術
かけつぎに必要なものは「針」と「糸(共布)」だけです。
特別なものは使いませんが、特殊な技術を要します。
生地の種類やキズの大きさなどによって、一番適した方法を用いて修繕を施します。
坂本かけつぎ専門店で使用する技法には、主に…
・はめ込み技法
・織り込み技法 などがあります。
■ はめ込み技法
破れや穴などのキズのある部分に、共布などから同じ柄の部分を選び出し、キズの部分にはめ込む方法。
比較的に大きな範囲のキズの場合に使用します。
■ 織り込み技法
共布や見えない部分(ズボンやスカートの裾の折り返し部分)から1本ずつ糸を取り出し、キズのある部分に生地を織り込む方法。
※ 技法は生地の種類・キズによって変わります。
生地の種類には様々な織り方があります。
まっすぐではなく斜めに織られたものや、礼服などを代表する生地は特殊な織り方がされており、柄の入り方によっても織り方は変わります。
機械技術で織られた生地を手作業で織るという技術は、簡単なものではありません。
特別に修練・習得された技術なのです。
■ 豊中の地で約50年あまり
坂本かけつぎ専門店は、そんなかけつぎの技術を習得し、昭和36年8月に豊中市刀根山町でオープンしました。
当時は2階建てのアパートの1室で、電話もなく大家さん家の電話を借りて商いをしていました。
そして、平成21年までは岡上の町3丁目にて。
その後、2丁目に移転し現在も営業を続けています。
気づけばこの豊中の地で50年あまりの時が過ぎました。
お陰さまでお得意さまからは「豊中のかけつぎ屋さん」として親しんでいただいています。
■ 親方から習得した技術
50年も続いている、坂本かけつぎ専門店の技術ですが…
店主が若い頃は、現在のように専門学校などの無かった時代ですので、田舎から親方の元に弟子入りをして習得。
あの頃は兄弟子や弟弟子など、たくさんの若者が切磋琢磨しながら技術を磨いたそうです。
写真は昭和30年代の、若かりし頃の店主。
今はすっかりおじいちゃんになりました。(笑)